Labo Kurohama  巻頭言保存 2頁


100.   日本語は平たく、また、力まない。フランス語のように尻上がりにならず、「初め中ほど次強く終わる時には一番弱い」式の英語的リズムはありません。韓国語のように、鼻の頭にご飯粒で付けた紙が飛んでいくような強い発音もしない。無表情という。これが日本語であり、その格調です。「ああでエ、こうでエ」。一々尻を上げる話し方は、フランス語のまねか。「1たす1はア」という小学校の先生の教え口調か。1文節ごとにこれをする。先生であろうとあまり知性の高い人に見えません。言葉は変わるもの、と言う。そういう人にこの話し方が多い。アクセントに次いでイントネーションも捨てようという日本語の変化。次は?(2017/08/24) 

 

99.    「千と千尋」は何と読むのだろう。語のうち強く読む部分をカタカナで、他をひらがなで表すとする。友人の娘30代は、生まれた時は「チひろ」だったが、今は「ちヒロ」。我が名「ヒろし」が「ひロシ」になったら、所有者としてはイヤだろうな。「かレシ」や「ぱアティ」みたいで、カタギの作法とも思われない。「うンドウカイ」、「びジュツカン」、丸いパンを意味しては「ばンズ」。吹き出す。「こういうんでいいの?」。高校の国語の先生に聞いてみた。「言葉というのは変わるものだからいいんです」。議論が始まらない。1音節ににのみ付くはずのアクセント制度が日本語から消滅した。こんなのも変化というのかい?(2017/08/23) 

 

98.    旅行に行っても疲れるお土産漁りはあまりしません。といって、手ぶらでただ帰るのもどこか色を欠く。そこで、画材を買いに行くソウルではニンジン、正しくは高麗人参を買うのが習わしになりました。これで作った人参酒は効くか? どうもそうらしい。健康オタクはいやなので常用はしませんが、思いついたときに1週間ほどちびちび飲みます。このほどの通院日前にも。高血圧。血圧計にはいつも戦々恐々です。結果は、上120、下80、その差40の大理想値。こんなことは初めて。しかし、似た経験は何度かあります。人参酒、今や広口瓶で10数本。飲まなくてもこれで不老長寿の夢を見られる。夢をくれる良薬とせねば、かな。 (2017/08/22)

 

97.    天皇は平和主義者、日本を戦争に導いたのは軍人であって、と言う。そうかも知らん。極東軍事裁判はこう動いていたのか⁉ 天皇制の歴史的評価は実際の問題にはならなかったと思わざるを得ない。敵があれだけの犠牲を払って固執した「国体」だもの、天皇とは何なのかをアメリカはまじめに考えなければならなくなっていく。そして今に続く日本を残し、進駐80か月は終わる。この時の思考方法をイラク戦後処理のアメリカがイラクに対しもっていた。驚き。世界の猛者たち、日本のように素直じゃない。砂漠の民アラブがいかにしたたかかで現実主義か。本多勝一「アラビア遊牧民」再読。G. W. ブッシュ氏にも読ませたかった。 (2017/08/21)

 

96.    夏が暑くて秋の田園に実りがある、と言えば夏は偉い。冬の山に降った雪が田畑を潤す水になる、と言えば冬が偉い。どちらも偉いのだけど、人の情緒により訴えかけるのはだいたい冬とか山の方。富士の湧き水は、雪からそうなる前に地中百年だとか。見えない忍耐が共感を呼ぶ。一方、太陽内部で作られた光が表面に達して外に発散するには何万年かかかるのだそうだ。この苦労の結果が夏にはああなる、と言われれば形勢は逆転かも。北海道育ち、夏は苦手です。冬は気分平穏。ところが、同じ北海道出身者の多くが寒いのはいやと言う。夏と冬、一般受けはどっちなんだろう。同じ人が夏も冬も騒ぐから、今だわからない。 (2017/08/20) 

 

95.    夕食ごとに新しい割箸を1膳使う暮らし。割箸は間伐材で作るから資源の浪費ではない、というのは部分的な事実です。割箸のために伐られる木があるのがより大きな事実。では、やはり割箸はけしからんのか。そうは思いません。箸は口の中に入るもの。新しい白木がほしいのは自然でしょう。ある神社が20年おきに新しい材ですっかり建て替わるように、箸に清いものを求めるのは悪徳ではありません。食品が入っていた容器、袋、わけても蓋付きのビンを一度で捨てる方が耐えがたい不道徳です。神社も箸も国や人の文化。エコ理論攻めがいい? 大宮駅8番線の立ち食いそばはまだ割箸体制です。旨い。なくなったら悲しいです。 (2017/08/19)

 

94.    駅弁一つとワンカップ3本でニコニコしているうちに大宮発の新幹線は函館に着く。駅弁は高いけど美味い。物量感が似た駅弁とコンビニ弁当の内容を別々に皿盛りしてみれば、駅弁の値段が2倍でも納得できる。この頃はレストランへ行っても何だか味気ないから、二人なら2つの駅弁を買ってきてあり合わせのものと家のテーブルに並べたらどうだろう。ものによってはたいへん賑やか。駅弁2千円、ワンカップのたぐい6本で安ければ800円ぐらい。きれいな部屋でいい器を出してかっこつけてみたいものだ。それで次の旅の話をする。たまらん。しかし、これから行く先の駅弁が行く前に買えてしまうのだけはいただけません。 (2017/08/18) 

 

93.    JR函館線森駅を出て直ちに「森のいかめし」の店を見つければ、これが本舗とまず思う。その名「柴田商店」。音に聞く阿部商店とは関係ないと言いたげな別名だった。完全に昭和的と言うべきクラシックな造り、雰囲気。昼間の駅頭でありながら通りにはほとんど誰もいない。青空の下、静寂の中に不思議感が漂う。これぞまさに旅先の正しきあり方。製造元の娘さんは次期社長の修業中で、一方放送局のアナウンサー。たまたま見たテレビでは美人。お姫様見たさに人々蝟集する会社がもしかすると目鼻の先にあるのだろうか。駒ヶ岳が間近に見えて何もわからない無音の街。そのいかめし、値上げ。少しは騒いでいるだろうか。 (2017/08/17)

 

92.    鍋の煮え湯からパスタを1本だけすくう台所道具がイタリアにはあるとのこと。何で、箸で済むじゃん、と直ちに思う。最近、そばの乾麺を鍋に放してから箸がないことに気づきました。仕事場のことゆえ、ないといったらない。箸なしだと首がないくらいに不自由だと知りました。欧米の台所って、箸抜きでどうしてるの? 中国や朝鮮半島のテーブルには箸のほかにスプーンが付き物。一方、日本人はほとんど箸だけで、作法を用いつつ万事を御す。考えてみれば、日本ひとりが箸超大国なのです。当方、生まれが飲食業の家なので割り箸に敬意があり、今も普段から大切に割り箸文化です。おかしい? 何しろ箸の国、日本。 (2017/08/16) 

 

91.    北のミサイルが日本を通過してグアムに飛んで行くのは明後日ぐらいか。冷静に考えると、日本の上を突っ切るだけ。グアム近くの海が水煙を上げるだけ。冷静に振り返ると、これを計画している指導者同志殿の父親はもっともっと大それたことをやった。1983年、韓国政府閣僚の大方を爆殺したラングーン事件。85年、115人が犠牲になった大韓航空機爆破事件。ともにターゲットは韓国だった。今、息子はアメリカを相手に騒ぐ。オレを殺りそうなのはアメリカだもの、というわけか。そのじいちゃんは、ともかく北朝鮮を作り、ともかく南の併呑を目指した。孫になって、やる事が小さくなった。この流れ、どうなるだろうか。 (2017/08/15) 

 

90.    羽田から大阪への旅客機、8月12日、といえば日航ジャンボ機事故と同じ立場。これが圧力系統の異常を抱える。やはり日航ジャンボと同じ。そして、羽田に引き返し着陸したのが午後6時51分。これは事故機が地面に帰ったあの時間とまったく同じ。どんな事故も再び起こり得るものと感慨を抱かないわけにいきません。新聞各紙は事態を伝えても、あれと同じだと騒ぐ様子はなかった。見識というものでしょう。事故の後伐り拓かれて慰霊の場となった御巣鷹の尾根にはその日約250人の人々。少なくなったとのこと。登れたから体を鍛えてまた来年も来る、と言う遺族の話。こちらも生きたい気持になる究極の真実がそこに。(2017/08/14) 

 

89.    開けた押し入れから封筒が落ちてきたのは3昔前。その中身50万円。銀行に預けようとして何年も忘れていたものです。元々自分の財産なのに棚ボタ気分でいっぱい。一家で北海道へ出かけ、わっと全部使ってしまいました。今こんなことは夢の向こう。額縁の裏で3万円見つかれば親戚中にふれ回る。50万円をなぜ忘れたかというと、忙しかったのです。札束を忘れるほど忙しかったのは、当時なかった言葉「サービス残業」に追われていたから。労働には報酬がなければなりません。しかし、その議論はありませんでした。夏休み。少年少女が毎日校門に吸い込まれて行く。中略。サービス残業予備軍のように見えてなりません。(2017/08/13)

 

88.    飛行機にはもう決して乗らない。20年前、固く決めたのです。あの修学旅行の空に怪しいところはなかった。それなのに、福岡から羽田へ帰る1時間少々はほとんどが上へ下への大騒ぎ。嬌声が悲鳴に変わる。乱気流や雲がこんなに長いか? 泣き出す生徒が増えていく。「これはだめかもしれんね」。日航ジャンボ事故の機長が言ったという言葉を自分も口に出したい衝動に駆られました。何とか着陸。脱力感からへたり込む生徒続出、空港一時閉鎖。あれは二度と御免ですね。そう言って実は今も時には飛行機に乗っている。忘れ得ない恐怖だったら大変でしょう。忘れるも何もないあの事故機の人々、どんな気持ちだったのか。(2017/08/12) 

 

87.    飛行機にエンジン4つは要らない、2つでいい。今やその性能は上がったらしく、最近の旅客機は大体が双発。何だか頼りない外観になった。片方のエンジンに何かあって残り1つでは絶体絶命。やはり4つあった方が良くはない? 4発機はたとえ1発に堕ちたとしてもまあ飛べると言われ、飛行機嫌いも命を預ける気になったものです。これが日本からアメリカまで飛ぶのに要する燃料はドラム缶約800本分なのだとか。あんまりだということで、そこをいくらか省くためエンジンを半分にする。老兵ジャンボジェットが空港から消えていく。寂しいです。日航ジャンボ機事故もこうして過去になるか。酷暑一服の感あり、あのお盆がまた。(2017/08/11)

 

86.    北朝鮮が広島上空にミサイルを飛ばすと聞けば怒るべきなのは当然。しかし、市民の憤懣の様をあの指導者おにいちゃんに届けたとして、何になるか。国連が中ロを巻き込んで新しい制裁を発動したところで、どれほどの意味があるか。おにいちゃんは下々から諫言をもらえる体制で生きていないから、まともな判断力をもつのは無理なのです。ミサイルはまともな生業からの上がりで開発しているのではありません。また、おにいちゃんがはしゃぐのは国や人民を守るためではなく、自己一身が成敗されたくないからなのです。必要なのは日米などが話を聞いてやること。おにいちゃんが正しい情報を得る唯一の方法だと思います。(2017/08/11) 

 

85.    映画「大魔神」、TVで連続放映中。これが半世紀前の作品とは。映画って、テレビとは違うんだな。特殊撮影という苦心の仕事、建物が破壊され倒れる様などリアル。怪獣にやられパラパラ崩れるセットのような安物ぶりがない。女優の顔も肌の色も現代の技術によるかのようにきれい。そうか、こういうのを3本立て50円や100円で見ていたんだっけ。見終わると外は夕方になっていて、親に怒られるような気がしたもの。たまらんねえ、おっさんのパンドラの箱が開いてしまった。「旗本退屈男」、「雪之丞変化」、「新吾十番勝負」...キリがない。そして、映画看板職人たちの技量・早業を思い出す。あんなふうに絵が描けたなら。(2017/08/10) 

 

84.    原爆は、落とす方も大変だ。遠い南海の孤島からの出撃。決死行でもあっただろう。だから、標的は新潟あたりを北限とする。原爆は10数個作る計画だった。超巨大国家プロジェクトの産物。結局使わなかったでは済まされないから、落とす。科学の産物ゆえ効果が科学的に証明されるよう都市に。このような「人間的」営為が原爆。戦争を早く終わらせるため米国民が意思を同じくした結果などではありません。爆撃機B29は、大量に注文し終わっていたため日本爆撃に使われなければならなかった。そのごく一部が広島・長崎へ。兵器は作らなければ使われない。それをいよいよ言い出したのが国連核兵器禁止条約ではないか。(2017/08/09) 

 

83.    NHK日曜美術館、「北大路魯山人」。多才独自というけれど、そんなにいいか? 悪くはないが、それがどうした。食を盛る器を宇宙だ自然だと言う。そうして、デカくて重くて洗いづらそう、しまいづらそうな器をもってくる。こんなにしなくたって旨い料理はちゃんと旨いと思うのだけど。引き合いに出てくる池波正太郎、食通だそうです。その食通が、「私は料理はやらない」。旨いのまずいの、何でも言えるわけだ。働かんのだもの。こういうおじさんたちの悪口を言うなんて、イラついてたのかな? 東京都知事が「日本ファースト」と「輝照塾」の胴元になるのだ、と小番頭風衆議院議員が言っていた。好きにしてください。(2017/08/09) 

 

82.    「これをこの通りに描けたら」というのが元々の衝動だったので、写実的な絵を描きます。今後長くもない人生、この姿勢が変わることは多分ないでしょう。ところが、NHKテレビ「原爆の絵」を繰り返し見ると、そんな絵画論がどうでもいいものに思えてたまらなくなります。お母さんを助けてと泣く小さな娘。火が迫ろうとどうにもならないのです。掌を合わせて非力を詫びるおじさん。図画教室的に上手い絵ではないのに、見る者まで申し訳ない気持ちになります。原爆被害という劇的場面だからではなく、描かれている人の体と心の痛みが、人間が伝わるのです。誰がいつどのような顔をして描いたのかはわからないのですが。(2017/08/08) 

 

81.    広島平和記念館の展示品が惨たらしいから、という話を聞きます。惨たらしいのは事実ゆえのことで、どうにもなりません。それでも、今それらを見て思うのは、正直に言って、「このくらいじゃないはず」なのです。半世紀以上昔の小学校時代、学校を通じて購読していた教育雑誌の資料は見るに耐えなかった。子どもだからそう見えた? そうかもしれません。しかし、あの頃見せられた画像に再会した覚えがないのです。余りに悲惨だから公教育の場からは引き揚げる。そういう事や物があったのではと疑っています。だから、資料館を何度も訪れておきながら、慄然たる思いになったことはありません。ひどい奴、か。(2017/08/07) 

 

80.    北朝鮮が譲るか、現実を見ろ、と米国連大使。核保有国と非保有国を分断する、と日本政府。国連が採択した核兵器非合法化条約に、いろいろな意味で肝心な国々が賛成しない。核抑止力は必要と言う米、核廃絶は目指すがむにゃむにゃだという日本。まとまらない。面倒だからこれが大人の考えだということにする。大きくなればわかると青い者に言い渡す。こういう大人に立派な人はあまりいない。世の中これで何とかなっているらしく、そのうち議論が消滅していく仕組み。これじゃいかんという反抗が国連案なのだ。大人がこうだと言えば若者が自ら牙を抜く時代、人間にこのぐらいの根性はほしい。今、8月6日午前8時15分。(2017/08/06) 

 

79.    都市無差別爆撃は戦争に付きものと思いがち。しかし、その歴史は意外に浅い。1937年のゲルニカ、45年のドレスデン。人類の長い戦争史からすればついこの間始まったばかりなのです。泣いている子どもだろうと寝たきりの老人だろうとお構いなし。茶の間で這い這いの練習をしている乳児の上にさえ為政者は原爆などを落とす。何の権限あって? 短い間に当たり前になってしまったことは、同時に、直ちに悔いて戒めるべきこと。それでも、何かされたら核兵器でお返しだもんねと考える人たちがいて、考え始めたらこれが止まらない。戦争になれば失われる冷静さを平時は忘れる。それを言い聞かせるだろうか、広島の明日。(2017/08/05)

 

78.    掟も仁義もあるものかと言わんばかりの過酷な夏。愛嬌なのか、ここ数日は気が抜けるような涼しさ。こんな時に思い出すのは1993年の夏なのです。梅雨が明けてもそれらしい日がほとんどない。自民党が下野し、細川内閣が誕生したところ。政変があると天気まで? コメは大凶作、10キロ5千円が相場というところ、1万2千円に。異例の「外米」輸入。その外米、わけても「タイ米」が日本人の口にまったく合わないとわかる。最初有難がられていたものが10キロ50円になり、挙句はそこらに捨てられる始末。野ざらしのそれが土色になる頃、夏は寒いまま終わりました。景色も心も何だか恥ずかしいような四半世紀前の夏でした。(2017/08/04)

 

77.    我が家に1台きりの車は新車から13年目になる年代物の軽。窓からドアまで全手動の傑物です。かつては北海道から九州まで運転したのに、今この車で行くのは駅、市役所、スーパー、病院でほぼ全て。暑い夏、窓は乗って開け降りて閉め、キーでドアをロックし、ちゃんと閉まったかどうか全部手で確認します。誰かを中に残したまま、なんてことはゼッタイにありません。孫をこうして死なせた人のニュースを聞きました。悪気はないだろうに、あまりの事で言葉もなし。ワンタッチでドアを閉め、スマートついでにさらりと車を離れたのか。今の車は便利過ぎ、高機能ゆえ値段は高過ぎ。考え直したいことではありませんか。(2017/08/03)

 

76.    「一時も空けておけない防衛大臣の職責」を外相が兼務することに。すると、北朝鮮がまたICBMらしきものを発射。先立って、朝鮮学校授業料無償化を支持する判決が出ている。授業料を取らず在日朝鮮人家庭の経済を助けた挙句その分が飛び道具になったらどうする? 気持としてはごもっとも、そして社会的思考としては、残念ながら短絡と言わざるを得ない。米大統領が今の人になった頃前後から、ああだからこうだもんね式の論理に世間論がけん引されているのだ。日本国の法律の下に暮らす外国人、あるいは歴史的経緯からそうするしかない人々にとって、たとえば授業料とは何か。遠回り思考はもう歓迎されないかな?(2017/07/30)

 

75.    今度は防衛大臣が辞意。タレントのような黒縁メガネに「就活」学生のような髪。およそそれっぽくない女性が「武力相」であることに違和感が集まったのではないかと思う。野党にも身内にも、結局ほとんど相手にされなかった。女がこんなことをするななどと言わない。男でなくたっていい、と言いたいくらいだ。どちらでもいいが、管轄する自衛隊を「災害出動隊」に改編するぐらいな根性の主が望ましい。荒唐無稽なおちゃらけ論理かと思って黙っていたが、先日病院の待合室で新聞を読んでいて同趣旨の投書を見つけた。天災も侵略も全部災害と思っていれば、戦闘だの紛争だののお笑い議論を国会でする必要もないだろう。(2017/07/29)

 

74.    民進党代表辞意。幹事長もすでに。8年前に民主党として政権を取るまで言い続けたのは「二大政党制」。それを今言う元気も根拠もない。おおむね満ち足りた国でのみ可能なものを日本がかなえ得ると考えたか。安保、自衛隊、憲法。これだけの対決事案にまみれる国が成熟した二大政党制など。そもそも、民主党の誰が何を根拠にこれを言いだしたんだろう。いよいよこれまでと危ぶまれた自民党と崩壊の坂道を転げ落ちていた社会党の風見鶏たちが保身のため急ごしらえした日和見党。それが国の未来を画策し得るか? どうなる、意味不明党。先生方、よく考えてください。終始対決した自民党と共産党だけが残ってきたことを。(2017/07/28)

 

73.    内閣支持率増々低下。改憲という戦後最大の野望をぶち上げたばかりなのに何という失速ぶり。学校関係のお墨付き問題や閣僚の不始末は痛いものの、これほどまで響くか。気になる言葉を政権側からいくつか聞く。「スピード感をもって」。実際、どれほどの意味がある?「丁寧に説明していく」。折れず相手をねじ伏せていくこととの違いを見出し得ない。「説明責任を果たす」。多くの場合、説明のみあって責任は尽くされない。どれも流行らない流行語になってしまった観あり。首相在任5年、中身のない言葉が生きて体制の形骸化が進む。民意が求めない仕事を好む内閣の寿命ってこのくらい、ということではないだろうか。(2017/07/27) 

 

72.    犬といって我々年配がまず思い浮かべるのは、日本のTV放送黎明期の後間もなく見たアメリカのTVドラマ「名犬ラッシー」。犬なんてものは玄関脇につないで残飯でも食わせておけばよい。犬権など観念としてさえ存在しない。そういう時代、ラッシーは家の中で尊厳を保証されつつ人間と同じ情緒のもとで暮らし活躍していた。その有様に驚いたのか、感服したのか。とにかくアメリカとはそういう品質の国だった。日本の犬をつい気の毒に思うのは、虚構ドラマとの無理な比較からだろうか。ラッシーについて衝撃的な新事実が一つ。半世紀間考えたこともなかったけれど、Lassieは「おねえちゃん」だからメスだ。(2017/07/26)

 

71.    大学時代、アルバイトで国際会議の受付カウンター要員に。番外の一仕事を頼まれた折、通訳なのに一言もわからない。世界各地から来た学者たちの前で死にたくなるほど赤い赤い恥をかきました。NHKきっての才媛にして英語の達人、支局長としてロンドンに赴任。「相手の言うことがまったくわかりませんでした」。ゴルバチョフソ連大統領来日時、TV演説の際の同時通訳者、途中で言葉が詰まり涙声になって、「どうしよう、わからない」。使える外国語を目指せば必ず悲惨な目に遭う。小学生が外国の先生とゲームなどしながら楽しく週2時間の英語。動機ができる? すそ野が広がる? 何がどうなるんだろう。わかりません。(2017/07/25) 

 

70.    小学校3年から英語を教科として教え、週2時間の授業は英語で行うという。無理です。授業を英語できる小学校教諭はめったにいない。子どもは旧来の中学校1年より早く英語嫌いになる。生きた英語を教えたつもりでも、教育環境によりそのうち受験英語に回帰するのは明らか。日本が余りにも確固とした国語をもち人口・国土・歴史の各面でけっして小さくない国、どちらかといえば大国であることを忘れてはいけません。こういう国が他国の後塵を拝して第二言語を奉ることは、たとえしたくてもたいへん難しい。そして、不思議に思いませんか。英語だ英語だと言う為政者が英語で世界と渡り合うところを普通は見ない。(2017/07/24) 

 

69.    今の日本、子どもより犬の方が多いという。人間より羊が多い羊経済の国などはあるけれど、日本は犬経済じゃない。梅雨時から暑い今夏、その犬たちがハッピーなようにはあまり見えない。人間が服を脱いで暑いのに、脱げない毛皮の上に服を着せられて炎熱の道を歩かされる小っちゃいワンこたちがいる。乳母車とすれ違って赤んぼにお世辞を言おうとすると犬だったりする。犬は人間とは古い古いつき合い。犬好きに悪い人はいないという言葉に逆らいたくもないが、ほんまかいなと思うのが残念。動物好きと言って動物を虐待している人はきっとものすごく多い。小学校で英語を教えるより、生命倫理を説くのが先では?(2017/07/23)

 

68.    庭の手入れが大変なのは庭の大小の問題にあらず、が持論。そして、梅雨明けの太陽の下、さぼってきた猫の額の手入れを遂に敢行。そのうちと言わずすぐに吹き出す汗。鼻の頭から上唇を伝い口に入るものが見事しょっぱい。おかずなしでメシを食えるほど。血液内のこの塩分を薄めようとして血管に入る水の体積が高血圧の原因とか。ならばこの汗をしばらく流して水をいくらか我慢すれば望ましい血圧になるか。やってみました。上が130に届かず、自己記録としては表彰もの。効いたんだ、と思う。しかし、たまたまだろうとはもっと思う。下げては上がる血圧。今日の妙案は何手目に当たるんだろう。一病息災、これ目標。(2017/07/22) 

 

67.    我が家の門柱の根元に水が浸み出し、炎天下そこだけ涼しげ。なんて言ってられない、漏水だ! 市役所水道課に電話。見に来ると言う。いつになるかあくびの用意をしていると、即座に来た。工事が必要、業者に連絡するとのこと。来るまで水は流れっ放しだろう、何日かけて水道代は何万円になる? 心を乱す間もなくドアベルが鳴り業者が現れた。「メーターには響かない、工事明日、費用市負担、水使える」。翌朝8時半、軽トラ2台人3人現る。コンクリートをぶち破り、穴を掘り、管を替えて埋め戻し、原状に復帰、作戦完了午後1時半。お役所仕事ってこんなに速いのか。猛暑なのに有難う。お見それ蓮田市、そして工人諸氏。(2017/07/21) 

 

66.    新米教員の頃、期末試験の教室で。試験開始から何分も経つのに鉛筆を指で遊び続ける少年がいる。席に近づくため意図的に教室内を何度か回りました。素直ならば監視だと気づくだろう。しかし遊び止む様子がない。「これ少年、早く取り組め」など言おうと思い一音を発しかけたとき、心臓が凍りついた。彼の右手には、親指と人差し指の2本しかなかった。彼は遊んでいたのではなく格闘していたのです。言ってしまっていたらどうなったか。どんな罪悪感を背負うことか、という罪悪感が長く尾を引きました。教師と生徒、医師と患者、あるいは監視人と収監者。人と人の関係はかくあれと、果まで察し当てるのは無理です。(2017/07/20) 

 

65.    身体検査。「お前、パンツいらね」。試験。机間巡視で頭をたたき、「お、腐ってる」。こういう扱いを先生から受けるのは、クラスのあるキャラクターに決まっていた。成績優秀者の頭をたたいてあらぬことは言わなかった。こんなジョーダンで先生は日々をこなし、生徒はけらけら笑って生きていた。生徒たち、今は60代半ば。現代、分別盛りの先生が「窓から飛び降りろ」と生徒に言って全国版のニュースになる。明日からお前抜きで、などとも。報道の字面を見るかぎり許されざるべきひどい先生だ。ただ、事の断片あるいは結果しかニュースは伝えない。「どうして?」 に答えない。これでは何とも言いようがない。(2017/07/19) 

 

64.    神戸の26歳男乱心、死傷者5人。バス置去り死が隣の上尾市であったばかり。おぞましいけれど、やはり障がい者施設での19人殺害事件を思い出す。さらに、あの世田谷の一家のこと。あまりに痛ましく恐ろしく、安い言葉を発することが憚られる。日本は安全な国でなくなったということ? 特にそういうことでもないのだと思います。我が家、そろそろいい歳だから、セキュリティについては鉄則があります。例、愛する夫だろうと見飽きた亭主だろうと、姿を見たつもりで玄関を開けてはいけない。カギは必ず入ろうとする本人が開ける。味気ないと言わないで。人は必ず個人。クールにして保つ人間関係もまたありなのです。(2017/07/18)

 

63.    映画「十戒」を何回見ただろう。蛇になってエジプト王ファラオの蛇を蹴散らすモーゼの杖、ナイルの水を血に変えるあの杖がほしい。こんな劇的な使い方をするためじゃありません。足腰が頼りなくなりつつある者が山伏の錫杖のようなしっかりした棒で悠然と歩いてみたいから。世間ではだいたいこれというあの一般的な杖は感心できません。短い。柄が一方に突き出ている。したがって、背を縮め前かがみになってしっかり老人のように歩くことになるのです。山歩きで使う杖は長く真っすぐ。使っていて楽で他の役にも立つ。都会の男も女も、これでいいのでは? どなたか、そういうかっこいいモダンな杖を考えてください。(2017/07/17) 

 

62.    車というものを初めて所有しあちこち行きたがった30数年前、ついに北海道、それも日本の果に近い道東に辿り着きました。運転未熟、現在地不詳、前途不安。いつかさ迷い出た所が美幌峠でした。眼下の樹林帯は水のない海のように深く広く遠く、雲のない頭上は空と言うより青い宇宙の高さ。北海道有数の大きさの屈斜路湖が、地図で見る形のままに見えました。ボーゼン。北海道のサイズって、これなのか。「この分だと、オレにだってまだ未来があるかもしれない」。遥か向こうを見る目が熱くなりました。昨日、美幌峠は気温37度、日本一。あの日、日差しは強く肌は涼しかった。思い出はこの夏と同じく熱いままです。(2017/07/16)

 

61.    イスラム国 の拠点が陥落しテロの拡散・群発が危惧される中、7 月14日のフランス革命記念日には何も起こらなかった。先立つ7月4日、ミサイル射ちたがりのおにいちゃんがいたずらをしたものの、米独立記念日も平穏。テロ対象とされて久しい東京はどうなるか。恐れつつ革命記念日に新橋へ。テロって何の日と断って行われるものか、と途中思う。誰でもいいから人を困らせたい人に選ばれるかも。駅の階段は手すりを握りしめしっかり歩む。帰路、家への最終バスを狙って乗った電車内、前途で人身事故との知らせ。バスには置いてかれました。タクシー乗り場には長い列 。悲観的な思考でいると一日はさえないものになるのか。(2017/07/15)

 

60.    内閣支持率雲行き怪し。それでも改憲を日程に乗せるか。仕組みだからやると言うものは止められません。しかし、国会の味方勢力を3分の2にしてそれというのは、ごもっともに見えて実は異常な思考ではないか。こんなに与党が強ければ改憲ばかりでなく何でもやり放題でやれる。だったら国会自体必要がない。改憲というのは、あまりの憲法だから普段の敵とも手を組んでこの件だけは何とかしようというもの。そうでなければ、国会は半分を大きく越えない議席の与党と野党または野党群がせめぎ合うべきもの。国民各位、憲法を変えたければ変えればいいでしょう。ただし、自ら国会の代表者を動かし自らの意思の実現として。(2017/07/14)

 

59.    アフリカや東南アジアの人たちが日本の夏を暑いと言う。これだけ暑い国が温帯だなんてウソだ、少なくとも亜熱帯。と言いたいけれど、その暑い国に雪が降るからやっぱりそこは温帯なのだそうです。大雑把過ぎないか。日本が小さいというのはロシアやアメリカと比べるからで、そうでなければ日本は世界的にみてもけっこう大きい。ヨーロッパのたいていの国より大きい。南北延々3千キロの日本を一まとめにして一口で温帯だなんて言えるだろうか。言えませんね。実は、大温帯国日本の極一部、極々一部の北海道根室地方は亜寒帯なのだそうです。なるほど、そこは目の前に北方領土を見る所。意地でこうした? まさか。(2017/07/13)

 

58.    もうすぐ変わるらしい平成という元号。この御代に生まれた若年層が、一つ前の世を昭和時代と呼ぶそうだ。明治とどっちが前だっけ、てな具合にその内なるか。それはかまわんけれど、今の若者が意外と古くさい人々に見えているのを若者自身は知らないな。平成元年生まれなどと言う。文久元年、万延元年と同じレトロ感が素晴らしい。平成8年生まれなどとも。昭和一桁生まれだったら男子は特攻に動員されたのだ。当方は昭和25年生まれ。草分けのような匂いがなく、何だか若々しくないか。平成の25年生まれは保育園に通う超若者。彼らが30歳でこちらが90代の未来、話が合うのではないか。同じ頃ですね、なんて言って。(2017/07/12)

 

57.    文科省前事務次官、参考人招致。私学の学部設置許可について総理大臣の意向あったと本人は言い、政府側は対抗。どちらもきれいに説明しきれいに答える。こんな具合に行くか? 私、役人の末端、具体的には教員だった。授業の準備は一番後の片手間というくらい雑務で忙殺された。教科書の採択など、どうして何社に決まったかなんて覚えていない。まったく何も覚えず仕事をしていたわけではないけれど、あれこれを一々記憶に留めるなんて不可能。だから、国会でしゃべる人をえらいと思う。ああはできません。記録はありますよ。残っただけ。今見ても意味がわからないくらい忙しかった。仕事って、そういうことです。(2017/07/11) 

 

56.    学校に教員が足りず、何週間何か月と行われていない授業があるんだとか。それで済まされるとすればその理屈がわかりません。自身の教職在職中にこんなことはありませんでしたが、危なかったことはあります。英語の授業を8時間担当すべき非常勤講師が見つからない。管理職も平教員も困り果てたところで突然思い浮かんだのが購買でパンを売っているおねえさん。「英文の出だったはず!」。新学期、おねえさんはパン売り場から消え、彗星のごとく教壇に降り立ちました。昨日まであれだった人を、という声を聞きました。しかし、痛快な展開に生徒も職員も沸き立ちました。40年前の、学校には珍しいヒューマンコメディ。(2017/07/10)

 

55.    気になる世界の政治家の男のコ化現象、またはオヤジ化現象。「オレなんかなあ、強いんだぞう」てな調子で、特に米中ロのレベルが心配になる。北朝鮮のミサイルをなじるのはいいけれど、一つ忘れちゃいませんか。核拡散防止条約というものがあって核保有の5か国は他の国の核開発を見張ることができるけれど、自分たちには核戦力の削減が義務付けられているのだ。米ロ歴代の指導者はいやいやながらでも演技ででもこの算段をしたもの。よその国の紛争で自分たちの飛び道具を見せびらかし合って喜ぶのが今の両国首脳の有様。中国はといえば、ロシアから買った中古空母で香港の明日に脅しをかけて威張ってる。情けなや。(2017/07/09) 

 

54.    七夕には織姫と牽牛が年に一度接近するのだと理解していたのは何歳までだったろう。こと座のベガとわし座のアルタイルがそうなるのを見たことは結局一度もありません。その代り、ミルキーウェイではない天の川、すなわち星の集まりであって物質的なギャラクシーを見たことが一度だけあります。町の真ん中を流れる大きな川を見下ろす一続きの山々。銀の砂を厚く薄くまき散らしたような銀河系宇宙の本体がその上に立ち昇り、右上に流れて夜空に消えて行きました。昼間降ってこれから固まる雪の寒さをひとつも感じませんでした。中学校2年生、54年前の北海道。暑い夏の七夕を涼しくしてくれる美しく壮大な思い出です。(2017/07/08)

 

53.    きれいな山も谷も崖もない。生き物のような地下もない。川は元荒川というおとなしそうなもの。あるものといえば、そうだ梨かなという説明しにくい我らが街では、災害の話もまた聞いたことがないのです。住居も仕事場も小さな平屋の我が家に限って言えば、地震に対してもこれといって構えるところがない。ただでさえ何もない埼玉県にあって平坦な蓮田。面白くなさそうな人の無表情顔みたいな街か、それとも、これぞ人の住処か。台風やら大雨やらで西日本が大変な様子。その中で「こういうことになるなんて」、という人が多い。結局、安全は空想上のものなんだ。想像上の危険を探し回ることのみ現実的なのだろう。(2017/07/07)

 

52.    ビン・ラディン殺害の実録を見ました。もちろん録画、しかし元は作戦現場からの生中継。特殊部隊のヘルメットに装着したTVカメラが編集なしのその場そのものをホワイトハウスに送ってくる。オバマ大統領と閣僚が固唾を呑んでそれに見入る様は裕福家庭の居間風景のよう。そして、作戦完了。他国領土の他人の家に一国家が夜中踏み込んで目的を遂げるという驚嘆すべき行動。なるほど、ミサイルを打ちまくる国の指導者とやらが意固地になるはずだ。対話と圧力なんて言うけれど実はオレにもこんなことをするんだろう、となれば身の構えは堅意地を越える。こっちも凄いんだぞと、一人で刃物を振り回すしかない。気の毒。(2017/07/06) 

 

51.    今回の都議選結果で特に注目したのは、新党や自民党の話ではなく、共産党が議席を増やしたことです。普通、それまでにない大きなうねりや傾向があればそのあおりで共産党は退潮を示すもの。そうならなかったのは知事新党の吸引力に限界があったということか。もともと保守のこの知事に是々非々で臨むと公言するのは原則貫徹の左翼に似つかわしくなく、これで旧来の支持者が減ると想像するのは当然のこと。次はどうなるのでしょう。先が見えているのは民進党。我が議席ファーストの先生方のしてきたことは合従連衡などではなく、無意味な野合の右往左往。政治をする気はあるか、社会党と自民党だった意味不明党。(2017/07/05)